安心住宅みらいえ

中古市場に流通革命を~自民党提言を読む~

住宅新報 2015年9月15日号

中古市場に流通革命を

自民党提言を読む

「個人的には、売主と買主との間の『情報の非対称性』が問題だと感じている」。8つの提言の中でも特に重要なテーマをあえて聞くと、井上信治衆議院議員はこう答えた。「物件は商品なのだから、中身を明確化するのは本来、当然のこと」(井上議員)。しかし現状では、取引時点で中古住宅の状態や品質に関する情報が得にくいため、不安を抱く購入検討者が少なくないとみられる。

問題解決の手段として第一に位置づけられるのが、インスペクション(住宅診断・検査)だ。提言には、段階を踏んでそれを活用推進していく方策が盛り込まれた。

まず、13年5月に国土交通省が策定した実務指針「既存住宅インスペクション・ガイドライン」(図)の普及活動に引き続き力を入れる。業務内容や担い手に関して、一定の質が確保されたインスペクションを広める考えだ。

◇「検査技術者」1万人へ

国交省ではこれまでも、諸政策と組み合わせる形で同ガイドラインの定着を図ってきた。例えば、個人間売買向けの既存住宅瑕疵保険との連動。住宅瑕疵担保責任保険協会が主催する、同ガイドラインに沿った「既存住宅現況検査技術者講習」を修了した者が瑕疵保険の現場検査を手掛ける場合、加入手続きの一部が省略され検査料も安価になる。瑕疵保険を利用しやすくすると共に、インスペクションの浸透を狙った制度設計だ。

現況検査技術者の登録者数は9月時点で9888人。10月にも講習を控えており、「今年中に1万人に達するのは確実」(同協会)とみられる。また、13年から実施している長期優良住宅化リフォーム推進事業も、実施要件の一つである工事前のインスペクションについて、その担い手は同ガイドラインに則ったインスペクションを実施する能力を有すること、と定めている。こちらは、累計採択件数が2000件を超えた。

◇売主の行動変化促す

並行して、インスペクションが取引慣行の一部として根付いていくことも重要だ。

これまで中古住宅の情報開示が進んでこなかったのは、売主側の姿勢に一因がある、とされる。不具合が見つかれば値下げ交渉や商談中止といった事態が懸念されるため、インスペクションに対しても敬遠する売主が少なくないからだ。そこで提言には「売主、買主の行動を同時に変えていかなければならない」と書き込まれた。

これを施策に落とし込むための検討に、近く国交省が着手する。具体的には、インスペクションをはじめとする関連サービスを付帯したビジネスモデルを、中古取引の“標準”とすることを目指す。12~13年度の事業で、こうしたビジネスモデルを実践する事業者連携の協議会を支援してきた。今後は協議会の枠を超え、関連事業者が広く取り組める環境整備を進める。

更に提言には、その先の施策も二つ盛り込まれた。一つは、「インスペクションの実施、瑕疵保険への加入などの有無について重要事項説明への追加を検討する」こと。そして中古住宅専用の標準売買契約書を定めた上で、その中に「買主は、売主から提供された『客観的事実』について、売買契約後一定期間内にインスペクションを行い確認できる」などの事項を入れること。契約書については現在、流通4団体がそれぞれ独自に策定している標準書式の統一作業を、東日本不動産流通機構が主導して進めている。国交省は、今秋にも完成予定の統一版をベースに、契約書のひな形を整備する考えだ。

いずれの施策も、実現するには宅建業法の改正が必要。今後2~3年以内に、インスペクションが法的根拠をもつようになる可能性が高い。

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