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宅建業法インスペクションと連動の方向 「質が不安」解消の切り札

住宅新報 2016年8月23日号

宅建業法の改正により、中古住宅取引における媒介契約、重要事項説明、売買契約においてインスペクションに関する規定が新たに設けられる。インスペクションの実施自体が義務化されるわけではないものの、その説明などが宅建業法に位置づけられた意味は大きい。同法を拠りどころとする宅建業者には、約2年後の施行までに相応の準備をしておく責務がある。

施行は約2年後

ただ準備といっても、〝宅建業法インスペクション〟に関する詳細はまだ決まっていない。国交省は今秋、社会資本整備審議会産業分科会不動産部会を開いて議論し、実務面の詳細を省令で規定する方針。売買契約時に交付する書面の標準書式などを年度内にまとめ、施行までの約1年を周知期間に充てる予定だ。
現時点で確定している事項はないが、ある程度の方向性は見えている。まずインスペクションの担い手には、建築士を想定。一定の講習の受講を要件とし、更に更新制とすることで業務の質を確保する。講習団体ごとの登録制度を設ける案が有力だ。
肝心の、インスペクションの基準はどうか。
国交省は13年、「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を策定。既存住宅の現況把握を目的とする「一時的なインスペクション」について定義し、検査方法などについて指針を示した。しかし宅建業法インスペクションの基準は、これをそのまま踏襲したものにはならず、レベルがやや高くなる見込み。それはなぜか。

あくまで情報充実化が役割

法改正でインスペクションに託されたのは、中古住宅の質に関する情報を表に出し、買主の不安を軽減する役割だ。そもそもインスペクションとは、劣化や不具合の事象を目視・計測などにより調べる行為を指す。つまり瑕疵の有無を判定するものではなく、「瑕疵がない」ことを保証するものでもない。
この事実を、買主の立場で考えてみる。インスペクションによって得られる情報は確かに、購入の参考資料や交渉の材料として有用だ。しかしインスペクションをして購入した後も瑕疵のリスクが潜み続け、それに対する保証がないのであれば、「中古住宅の質に対する不安」を拭いきれないと感じる買主も出てくる可能性がある。
そのため国交省は、購入〝後〟の安心も担保する考えから、「既存住宅売買瑕疵保険」の活用を推奨している。建築士による現場検査と、最大1000万円の保証をセットにした任意の保険制度だ。「瑕疵保険に加入することで補償が受けられ、消費者の救済が図られる」(参議院国土交通委員会での答弁より)
またインスペクションの担い手にとっても、瑕疵保険への加入が場合によってはリスクヘッジになり得る。
例えば、通常の注意を払っていれば確認できた不具合を見落とし、それを理由に依頼者から損害賠償請求をされた場合、インスペクション事業者は賠償責任を負うと考えれる。一方、業務を「適切に実施していたとしても(瑕疵を)100%見抜けるわけではない」(同)。なぜなら「瑕疵は不注意による見落としだけではない。『隠れた瑕疵』も存在する」(国交省住宅生産課)からだ。瑕疵保険は、隠れた瑕疵によって生じた損害を補償対象とする。
国交省はこれらの事情を総合して、宅建業法インスペクションの基準を「瑕疵保険の現場検査に、できるだけ近づける」(国交省不動産業課)方針。インスペクションを実施済みの中古住宅を購入した買主が、新たに現場検査を依頼する手間なく保険に加入できるようにするためだ。
ちなみに、ガイドラインのインスペクションと瑕疵保険の現場検査の主な違いは、床下点検口を通じた検査である。瑕疵保険は、点検口などからの目視可能な範囲での検査が必須。点検口がなければ新設する必要がある。一方のガイドラインのインスペクションは、点検口がない場合は検査が実施できない可能性があることを依頼主に説明すればよい、とされている。

法改正を機に普及が期待される瑕疵保険。売主、買主と直接やり取りする宅建業者がその鍵を握ると目されているが、どの程度取り扱いやすい商品となっているのか。

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中古住宅流通で存在感 瑕疵保険 虎の巻  ㊤

改正宅地建物取引業法が5月27日に成立した。施行後は、中古住宅の個人間取引の過程にインスペクション(住宅診断・検査)が加わる公算が大きくなる。ただし、現時点では「どのような行為が〝宅建業法インスペクション〟とみなされるのか」などの重要な事柄が決まっていない。国土交通省は既存住宅売買瑕疵保険の普及に期待を寄せており、宅建業法インスペクションの基準にもそれが反映されるとみられる。瑕疵保険の最新動向と、その〝新商品〟の見通しを伝える。(鹿島香子)

 

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