安心住宅みらいえ

今注目のインスペクション 宅建業法の対象はどこまで 利害関係者は原則不可に

住宅新報 2017年2月28日号

インスペクションを行ったか否か、宅建業者が重要事項説明時に買主に説明を行うなどの改正宅地建物取引業法が16年に成立、公布された。18年4月の施行後は、中古住宅の個人間取引の過程にインスペクション(建物状況調査)が多く利用される公算が強くくなる。どのような行為が「〝宅建業法上のインスペクション〟とみなされるのか」、「インスペクションを行うインスペクター資格」について骨格は定まってきたが、検討の余地も残されている。国土交通省は既存住宅売買瑕疵保険の普及に期待を寄せており、宅建業法インスペクションの基準にもそれが反映されるとみられているが、どうなるか。現状の国の取り組みと業界の動きを2週にわたって報告する。

16年6月に宅建業法が改正された。中古住宅市場の活性化に向けて、主にインスペクション(建物状況調査)の活用を盛り込むためである。昨年12月にはこれに基づいて、18年4月の施行に向けての、実務に関する取りまとめが行われた。インスペクションに関する骨格は整った印象だが、まだまだ検討の余地を残した事柄も残されている。

インスペクションの調査対象部位については、既存の住宅売買瑕疵保険に加入する際の検査対象部位と同様となった。これは国交省の「既存住宅インスペクション・ガイドライン」の内容に沿ったもので、(1)構造耐力上の安全性に問題がある可能性が高い、小屋組、柱・はり、床など(2)雨漏りなどが発生している可能性が高い、屋根、外壁、天井など(3)設備配管で、給水管、給湯管、排水管、換気ダクト――などとなっている。共同住宅では専有部分及び専用使用しているバルコニーから目視可能な範囲で、やはり壁、天井、給水管などだ。改正施行規則案では、このほか基礎ぐいなど具体的に例示している。

既存インスペクターも 新規講習は必須

インスペクションを行うのは「建築士」だ。建築に関する専門知識を有し、制度の仕組みも整っており、必要人員も確保されているからだ。ただし、新たな国交省のインスペクション講習を修了しなければならない。同省では施行に向けて、「既存住宅状況調査技術者講習制度」を創設する。現在、約1万8000人の建築士が同省のガイドラインに基づくインスペクション講習を受け、インスペクターとして登録している。それら登録済みの建築士についても、今後は新しく創設される講習を受けた後に、宅建業法におけるインスペクションの実施が可能となる。なお、講習受講の際の免除規定については、今後検討される予定だ。

人員不足を警戒 建築士以外も検討

ただし、講習を受けた建築士であっても、自らが取引の媒介を行うなど、利害関係のある場合には売主と買主の同意がある場合を除き、インスペクションを行うのは適当ではないとされた。

また、建築士以外の枠組みについても、今後も検討は継続する。同省不動産業課では、「建築士だけでは、特に地方で人員の不足が危ぶまれる可能性がある」としている。

媒介契約時には

媒介契約時に宅建業者は単なるインスペクション業者に関する情報提供にとどまらず、実施に向けた具体的なやりとりを行う。売主に対してインスペクションの制度の概要を紹介したうえで、事業者のあっせんを希望するか確認をする。なお、これと同様に買主に事業者をあっせんする場合には、建物の所有者である売主にインスペクションの実施について、あらかじめ承諾を得る必要がある。

重説の内容は

また重説時には、インスペクションの結果概要を宅建業者が説明する。書面については調査を実施した者(インスペクター)が責任を持って作成する。調査から1年以内のものが有効で、複数ある場合には直近の調査結果が重説の対象になる。ただし、「1年以内の調査」以外で建物の劣化事象が確認され、取引判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合には、説明を加えなければならない。

また1年経過前に大規模な自然災害が発生した場合でも、調査結果は重説の対象となる。賃貸の場合にも、インスペクションの調査結果がある場合には説明をしなければならない。

重説時に保存の有無を明らかにしなければならない書類は、新築時および増改築時に建築基準法あるいは新耐震基準に適合することを証明するもので、確認申請書および添付書類、確認済証、検査済証、耐震基準適合証明書。調査点検に関する報告書類としてインスペクションの調査報告書、既存住宅性能評価書、定期調査報告書。なお、賃貸の場合は説明の対象外。戸建ての賃貸住宅でリフォームが可能な場合に、借主に同書類の保存の有無を説明することは差し支えないとされた。

マンションで管理組合など売主以外がこれらの書類を保有している場合には、その保有者についても説明する。

なお、インスペクションの説明時に、買主が詳細な説明を求めた場合には、インスペクターから買主に連絡が入るように」する。

37条書面への記載は

また、37条書面には、調査結果を重説時に説明した場合には、そのことを明記する。インスペクションを行わなかった場合には「当事者の双方が確認した事項」は「無」として記載。この場合に、売主買主双方が劣化事象を確認し、それが取引価格に反映したなどの特別な場合には、37条書面にその内容を記載する。

HPで周知徹底

同省では「宅建業法施行規則の一部を改正する省令案等に関する意見募集」を2月19日に終えた。今後は内容の周知徹底を目指して同省ホームページに年度末までを目標に、「改正法の内容に関するQ&A」を掲載する。

また媒介契約の際に相手方に渡すものとして、インスペクションに関する制度の概要を分かりやすく示した一枚紙を作成する。更にインスペクションと既存の瑕疵保険に関するパンフレットやインスペクションを実施する者の検索システムを構築する予定だ。

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