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契約を変える民法大改正が目前に

日経ホームビルダー

住宅の請負・売買契約に大きく影響する民法の債権法関連規定を見直す改正法案が、4月14日に衆院本会議で可決され、参院に送付された。今国会で成立する見通しだ。1896(明治29)年の民法制定以来120年ぶりの大改正となる。

民法改正案とともに、関連する計216の法律(関連法)の改正案も提出され、同時に衆院で可決した。建築関連では、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(瑕疵担保履行法)」「消費者契約法」「宅地建物取引業法」「建設業法」などが該当する。

改正民法と関連法は公布日から3年の周知期間を経て、同時に施行する。住宅会社や建設会社、不動産会社、設計事務所などは3年以内に契約書や約款、保証書といった書類を作り直しておかなければならない。

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当事者同士の契約を重視する

住宅に関わる改正箇所は多数あるが、特に注目したいポイントは4つある。

1つ目は、欠陥のある状態を示す「瑕疵」という用語を廃止することだ。代わりに「契約の内容に適合しない」(以下契約不適合)という用語を新たに使う。住宅会社など(債務者)が建て主(債権者)に対して負う「瑕疵担保責任」、「債務不履行責任」に置き換わる。

この見直しの意味は、明治時代の古い言葉を現代用語に置き換える点にあるだけではない。当事者同士の契約を重視する意図が込められているのだ。改正民法が施工されれば、具体的に何を契約内容として定めるかが、これまで以上に重要になる。

ポイントの2つ目は、請負・売買契約とも債務不履行責任の時効を10年に統一し、「消滅時効」として扱うことだ。

現行法の請負契約では、木造住宅は引き渡しから5年、非木造は10年がたつと、瑕疵担保責任を請求する建て主の権利が自動的になくなる「除斥期間」が定められているが、これがなくなる。

代わって、全ての債権・債務の期限を「権利を行使できる時から10年間」と「権利を行使できることを知った時から5年間」のどちらか早く到来した方とする「消滅時効」という規定に統一される。消滅時効では、住宅会社が建て主に時効であることを宣言しないと、期限を過ぎても時効は成立しなくなる。

現行法には時効に関する建て主の責任として、「契約解除や損害賠償請求をする場合は瑕疵の事実を知った時から1年以内に実施しなければならない」という規定がある。改正民法では、瑕疵の事実を知った時から1年以内に「通知」すればよくなるので、建て主の負担が軽減される。

故意・過失がなければ責任を問われなくなる

ポイントの3つ目は、故意・過失がなければ住宅会社などの責任が問われなくなる「過失責任」に変わることだ。現行民法では過失がなくても住宅会社が責任を負う「無過失責任」が存在する。改正すると、建て主は住宅会社に対して何でも請求できるわけではなくなるのだ。

「今からでもよいので、契約約款などに『本物件の瑕疵が請負者の責めに帰することができない事由によるものであるときは責任を負わない』という条項を追加することが大切だ」。TMI総合法律事務所の富田裕弁護士はそう話す。

ただ、責任追及を拒むには、故意・過失がないことを住宅会社側が証明しなくてはならない。そのための書類や記録は欠かせない。

最後のポイントは、現行民法で工事請負者を保護するために設けていた規定が、削除もしくは新条項に置き換わることだ。規定がなくなる代わりに住宅会社に有利に働く項目も入った。現行民法では建て主が補修と損害賠償を同時に請求できるのに対し、改正後は瑕疵の補修をまず請求し、補修できない場合などに限って損害賠償請求が可能になる。

品確法には瑕疵の用語が残る

改正民法と同時に可決した改正品確法と改正瑕疵担保履行法では、瑕疵を「契約不適合」に置き換えずにそのまま使用している。国土交通省が「瑕疵」という用語の存続にこだわったからだ。契約書などを見直す際には、「瑕疵(契約不適合)」などのように併記するのがよいだろう。

品確法の改正箇所で覚えておきたいのは、現行法で認められていなかった代金や報酬の減額請求が可能になること。加えて、引き渡しから10年以内に瑕疵の補修などを請求できる条件として、瑕疵を知ってから1年以内に住宅会社に通知すると規定した点も認識しておきたい。現行法では通知は不要だったものの、改正民法と規定をそろえた。

民法の契約に関する規定が、ほとんどが任意規定であることは、改正後も変わらない。契約書で個別に定めておけば契約内容が優先される。そのため、改正民法の影響は原則として契約書で条件を定めなかった場合に限られる。

ただし、住宅会社側が一方的に有利となる特約を設けることには問題がある。消費者契約法や品確法の強行規定に違反する恐れがあるからだ。

「消費者保護を果たすための法改正は毎年行われており、改正民法が施行するまでの間に、消費者契約法も改正される可能性がある。消費者契約法に沿った契約書が欠かせない」。住宅会社の契約書の作成などを多く手掛ける匠総合法律事務所の秋野卓生弁護士はこう助言する。
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