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ポータルが「おとり広告」包囲 対応策着々と、抑止に全力 近畿公取協で勉強会開く

住宅新報 2017年7月25日号

「おとり広告」撲滅に向けた取り組みが全国に広がっている。首都圏不動産公正取引協議会(首都圏公取協)が進めてきた悪質業者に対する措置の厳罰化が、8月から近畿エリアでも始まる。ポータルサイト広告適正化部会を中心とした勉強会もスタート。おとり広告包囲に向けた仕組み化等、ポータルサイト側の動きを追った。

首都圏公取協は17年1月から、規約違反事業者への対応を厳罰化した。おとり広告等によって厳重警告・違約金の措置を講じた事業者に対し、ポータルサイト適正化部会メンバー5社(アットホーム、CHINTAI、マイナビ、LIFULL、リクルート住まいカンパニー)のサイトでの広告掲載1カ月以上停止とする措置。4月以降、「ヤフー不動産」「いい部屋ネット」も賛同し、悪質業者の取り締まりを強化した。首都圏公取協によると、6月度は3社が厳重警告・違約金の措置。いずれもインターネット広告によるもので、おとり広告の認定となった。

首都圏公取協は他エリアの公取協との連携を進めてきた。8月からは近畿地区不動産公正取引協議会(近畿公取協)で同様の試みが始まる。適正化部会では規約違反の物件情報を共有しているが、16年度は2812件。そのうち1206件(43%)が近畿エリアで、首都圏の1091件(39%)を抜いて最も多い状況だ。7月20日には大阪で「不動産ポータルサイト広告に関する勉強会」が開かれた。二部構成で、近畿公取協の小田徳行氏が「規約違反事業者への新たな対応」について、リクルート住まいカンパニー経営管理室審査部の石橋和也部長が「賃貸仲介経営における『おとり広告』によるリスク」について語った。

シート、対面営業で

ポータルサイト各社の取り組みはどうか。アットホームでは「違反広告のうち、故意に悪質な事例は1~2%。4割は成約済みの物件がサイト内に残ってしまうケースで、物件数と成約速度に、業者のメンテナンス作業が追いついていないことが原因」と同社情報審査室・情報審査グループの篠塚一美グループ長。

同社は事業者に対し、週に一度のメンテナンスを提案すると共に、物件情報を1枚のシートに編集した「ファクトシート(図面)」を活用する。営業担当者が3日に一度直接届けることで、サイトにアクセスしないと分からなかった物件情報を認知させ、成約状況を確認していく仕組み。併せて、元付け業者の成約データは随時、同社の不動産業務総合支援サイト「ATBB(アットビービー)」に取り込まれる。これは元付会社と先付各社の掲載状況が連動したシステムのため、例えば先付A社で成約となった場合、元付会社に即座に連動。元付会社の成約状況によって、先付B社、C社の掲載データが自動で消え、更新漏れ物件を防ぐことになる。「シートとITを併用する事で、情報速度と精度を高めたい」(同氏)。

また、同社では成約報告した事業者への特典として、アットホームで使えるポイントの付与サービスも行っている。導入から約2年で、契約会社の約3割に浸透。最近はポイントを寄付型として活用し、ワクチンなど社会貢献に充てる業者も増えているという。

年内に全自動化へ

LIFULLも「おとり広告」包囲に向けて取り組みを進める。物件情報の更新忘れなど事業者の「うっかりミス」を抑止する仕組みづくりが基本姿勢だ。

具体的には、昨季まで楽天と協働で行ってきたホームズ掲載物件データのクリーニングをシステム化する。これは電子商取引(EC)を行う楽天の配送先とLIFULLの物件情報データを突合することで、空室の悪用を未然に防ぎ、更新漏れなどによるおとり広告を防ぐ仕組み。疑わしい注文の配送先と合致した物件情報については日本賃貸住宅管理協会(日管協)を介し、管理会社に注意喚起を行う「昨季までは手動による対応。疑わしいものだけで日に数百件あったが、情報の精度は高く、今季から自動化へ移行する。現在、年内のシステム運用を目指して開発中だ」(同社事業統括部・情報審査グループの土塚昭寛グループ長)。

巧妙化が進むおとり広告、特に悪質な業者に対して各社はどう臨むのか。悪質業者の特徴について篠塚氏は「かつての会社でおとり広告を知った人間が新たに始めるパターンが多い。出身者の相関図を把握し、事前審査で対応することはポータルサイト適正化部会でも共通のテーマだ」。

アットホームでは、社内の措置基準に照らして、文書で警告や指導を行い、取引停止とする場合もあるという。「自社では3日に一度のペースで訪問営業を行っている。対面による働きかけで、抑止に努めている」(篠塚氏)。LIFULLも悪質な業者との契約を解除するという姿勢を貫く。

篠塚氏は、メンテナンスの必要という事業者の意識を高めると共に、ポータルサイト側の事前対応が重要だと考える。「現状は、事業者の指摘が入ってからの対応だが、前線で未然に防ぐ対策が重要となる。成約に関するオン・オフを素早くキャッチし、エンドユーザーが反響する前に情報を整理する。更に、AIを活用した違反広告の検出機能や予測機能などにより、ユーザーにとって安心が伝わるサービスも提供できるはずだ」。業界を挙げた「おとり広告」包囲網の広がりを期待する。

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