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――住宅・不動産関連団体の税制改正要望―― 軽減措置延長が主軸 「固定資産税特例」「買取再販軽減」など

住宅新報 2017年8月29日号

お盆休みが終わり、概算要求(各省が財務省に対して行う歳入歳出予算の見積もりなど)、税制改正要望の時期が到来した。それに先立ち、住宅・不動産関連団体が国土交通省に18年度の税制改正要望を提出した。各団体はどういった要求をしているのか。

18年度の各団体の税制改正要望を見ると、措置延長要望が多いことが分かる。その中で各団体に共通して最も多い要望が、「新築住宅の固定資産税の軽減措置適用期限の延長」だ。新築住宅について、一般の住宅であれば3年間、中高層住宅であれば5年間税額を2分の1に軽減する措置で、1.4%が0.7%となっている。適用期限が18年3月31日までとなっており、その延長を要望している。不動産協会、不動産流通経営協会(FRK)、全国住宅産業協会、住宅生産団体連合会などだ。

この特例については、延長が繰り返されてはいるが、徴税額が少なくなる総務省とその度に様々なせめぎ合いをしている。第3次安倍第3次改造内閣で住宅・不動産を熟知している野田聖子氏が総務相に就任したことが「安心材料」(業界関係者)という声もある。

同じ地方税では、「不動産取得税の特例措置の延長」も要望が多い項目だ。不動産取得の際に設けられている、土地と住宅に係る税率の軽減(4%→3%)と土地の課税標準の軽減措置については、前記の団体のほか、日本ビルヂング協会連合会、不動産証券化協会も項目としている。

また、「宅建業者が取り扱う新築住宅の取得日に係る特例措置の延長」(新築後6カ月→1年)も全住協、FRK、住団連が要望している。

中古流通市場活性化を更に進めるため、既存住宅についても、「一定の改修工事が行われた既存住宅に係る固定資産税の特例措置の延長」(耐震改修で2分の1減額、バリアフリー・省エネ改修で3分の1減額)が項目として挙げられている。

土地税制に関しては、不動協、ビル協などが「土地固定資産税の負担調整措置の延長」を求めている。現在、商業地などの固定資産税の負担水準が60~70%になっており、この延長と昨今の地価上昇から、それに伴う負担増の軽減も要望している。

所得税などの国税については、「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の特例の適用期限の延長」を不動協、FRK、住団連が求めている。FRKは、「住宅の含み損を抱える人の円滑な住み替えを促進するとともに、ライフサイクルに応じた買い換えを支援し、適用期限を延長すべき」とする。

中古流通市場活性化の推進のため、14年税制改正で創設された「買取再販で扱われる登録免許税の軽減措置の延長」(本則2%→0.1%)はFRK、住団連が求めた。「買取再販は既存住宅をリノベーションして品質・性能の向上を図り、再活用促進のため効果的」(住団連)としており、16年改正で延長されており、更なる延長に期待している。また、両団体は買い取り再販業者が取得する既存住宅の敷地への不動産取得税軽減措置の創設も求めている。

このほか、「認定長期優良住宅に係る特例措置の延長」(不動産取得税1300万円減額など)や「認定低炭素住宅に係る登録免許税の特例措置の延長」(移転登記=本則2%→0.1%など)については、不動協、FRK、住団連などが項目として挙げている。

最低床面積要件引き下げを コンパクトマンション人気受け

各団体が求めている新しい税制軽減措置の創設についてはどうか。面白いのは、FRKと全住協がそれぞれ、「住宅ローン減税の最低床面積要件の引き下げ」を要望していること。FRKは40m2に、全住協は30m2への引き下げを主張している。今後増加が予想される単身・少人数の世帯の居住ニーズの多様化を踏まえ、「ファミリータイプと同質の居住性能を有する小規模マンションの取得にも支援が必要」(全住協)という。

FRKはこのほか、この最低床面積要件を登録免許税の特例や不動産取得税の特例などの場合にも40m2に引き下げることを要望している。また、住宅ローン減税については、既存住宅の場合の最大控除額を新築と同じ400万円に引き上げること、築年数要件を82年1月1日以後に新築されたものとし、耐震基準適合証明書などがなくても住宅ローン減税などの適用を可能とするとしている。

相続税の非課税も

全住協では、「空き家対策を推進するための土地の固定資産税の特例措置の創設」を要望。空き家の所有者が自発的に空き家を取り壊し、その後5年以内に活用した場合、現行の住宅地特例(課税標準を6分の1に減額)を適用することを提案している。

また、被相続人が居住していた住宅を同居していた相続人が相続し居住した場合、その住宅と敷地について相続税を非課税とすることを挙げている。敷地細分化の防止や良好な町並みの維持を図る取り組みを支援する観点からで、地区計画や条例などで敷地面積の最低限度が定められている場合という条件を付けている。

住団連は、「より高度な省CO2性能を有する住宅整備を誘導する税制の創設」を要望。住宅のCO2性能のレベルに応じて優遇内容を段階化するなど住宅整備のインセンティブとなる税制を求めている。

証券化協は、「投資法人等が海外不動産に投資した際に支払う直接外国税額の控除方法などの改正」を要望。投資主の配当金受け取り方式を問わず外国税額控除が受けられることを求めている。

修繕積立金を税額控除

マンション管理業協会は、「マンション修繕積立金支払い額に対する所得税額控除制度の創設」を要望している。 工事費の高騰や消費増税などを背景とした支出の増加が管理組合の資金不足を招いており、管理不全マンション増加の要因となっていると主張マンションの修繕金額を各区分所有者の負担割合に戻して、リフォーム減税の対象とする所得税額控除制度の創設を要望した。

また、多くの団体で不動産については、印紙税や登録免許税などの多重課税が存在しており、税負担が過重となっているので、19年10月の消費税率引き上げの際には、印紙税の廃止や登録免許税の手数料化などを図ってほしいとしている。

◇  ◇

新たな措置創設については、各団体の特色が出ている。

特に、全住協が要望している、一定の条件のもと相続税を非課税とするのは、非課税が適切かはともかく、興味深い提案だ。大きな家を相続しても、手持ちのお金が足りず、結局処分する。しかし、敷地面積最低限度が決められていると切り売りできず、処分が進まないといったケースは都会への通勤圏となっている新興住宅地でよくある。その解決策の一つになりうる提案だろう。

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