安心住宅みらいえ

中古住宅保証で安心 流通大手が取り組み開始 検査情報も重要なツール

2012.10.16 住宅新報 1面

 

売主・買主双方がメリットを享受できる形で、建物安全性に関する不安を解消する--。中古流通活性化政策の1つとして重視される『インスペクション(建物診断・検査)+保証』に、民間の流通事業者が取り組み始めた。安心感を訴求すると共に、元付け物件を獲得する狙いもあるようだ。既存住宅売買瑕疵(かし)保険を活用した仕組みのほか、直近では東急リバブル(東京都渋谷区)が業界初となる自社保証制度を開始。大手流通会社の参入により、追随の動きが加速する可能性がある。

東急リバブルが10月から始めた『リバブルあんしん仲介保証』は専任(専属専任を含む)媒介契約を結んだ物件を対象として、インスペクションに適合した場合に引き渡しから1年間、対象個所で生じた不具合について最大250万円を同社が保証する内容だ。戸建ては築20年以内、マンションは築25年以内を要件とし、前者は提携する建物検査機関・ジャパンホームシールド(東京都墨田区)が、後者は同社の営業担当者がマニュアルに従いインスペクションを行う。

10月初旬に3連休があったこともあり、開始後2週間で利用件数は2ケタに達した。

「中古市場活性化政策と合致した、独自のサービスを提供できないかと考えた」

戦略企画部の小林浩戦略企画課長が振り返る。最終的に、国土交通省による中古流通活性化政策にも掲げられている『インスペクション+保証』の形に行き着いたという。売主にとっては一般的に3カ月間とされる瑕疵担保責任がカバーされ、一方の買主もその後9カ月間保証期間が続くため安心感につながる。また『インスペクション済み』として売却活動がしやすい点は、そのまま購入前に住宅の状態を把握できるという買主側の利点にもなる。

ただこうした取り組みは、「物件を所有する売主がメリットを実感できなければ、広がりにくい」(同)。そこで、より多くの売主にとって利用しやすい制度とすることを重視し設計したという。

ポイントは4つある。まず、保証対象として構造上主要な部分の木部の腐食や雨漏り、給排水管(専有部)の故障といった重要な部位を網羅。また不適合個所があっても、その他の個所での部分保証を可能にした。更に適合基準自体を「基本的に、購入後もそのまま住めるようであれば問題ない」(同)との考え方に基づき設定。適合率は全体の約8割を想定している。これらを踏まえ、インスペクションと検査に掛かる費用をすべて無料とし、「一民間企業として負担できる範囲」(同)で保証の上限額と期間を決めた。

また、不具合が見つかったとしても、「そこから『本当の提案』ができる」と小林氏。「売却前に直す」、補修はせず告知したうえで「購入可否の判断を任せる」といった選択肢が生まれ、瑕疵に起因するトラブルを予防できるという考えだ。

この流れを根付かせるには、売買担当者が制度を熟知している必要がある。現場からは「優れたサービスなので、(売主に)自信を持って勧められる」といった声が寄せられているといい、研修などが成果を挙げているようだ。

売主リスクの認知重要

検査・保証制度を進める上で、売主の理解を得るのは仲介業者にとって大きな要素だ。

リスト(神奈川県横浜市)は11年10月、住宅専門の保険会社(保険法人)が提供する瑕疵保険を活用した形で、検査・保証サービスを始めた。売主から専任(専属専任含む)媒介契約を依頼された新耐震の戸建て住宅を対象に、流通前に検査を実施。検査結果と合わせて販売する。検査に合格した物件は、買主に引き渡した後5年間、構造や雨漏り防止部分などについて、1000万円まで保証する。検査とその結果に対する保証は、第三者検査機関である既存住宅保証センター(東京都新宿区)が請け負う。検査・保証費用はリストが仲介手数料から負担している。

「買主の安心、安全はもちろん、売主にもリスクがあることを認知してもらい、検査などを通じて、より安心、安全な中古流通を行うことを考えた」

流通事業本部流通営業部の鎌田友和部長は、サービス開始の経緯をそう話す。検査基準に適合して保証がつけば、売主の瑕疵担保責任がカバーされ、売主のメリットになる。

もちろん、検査には不適合のケースも出る。今年9月末までの約1年間で行った検査80件の適合率は5割だ。ただ、不具合を含めた情報開示が買主だけでなく売主のリスク回避にもなると考える。「中古流通のリスクについて、売主側への説明を通じて、認識をさらに広げていきたい」(鎌田部長)と話している。

保証個所以外の検査も

東京建物不動産販売(東京都新宿区)が東京建物(東京都中央区)と共同開発し、今年2月に始めた『ブリリア認定中古マンション制度』は、第三者機関による詳細なインスペクションが特徴だ。

同制度は、東京建物のマンションブランド『ブリリア』物件の売却に際して専任(専属専任を含む)媒介契約を締結したケースが対象。住宅検査保証協会によるインスペクションを行い一定の要件を満たした場合、引き渡しから6カ月以内の『外部開口部周り』と『専有部内給排水管』からの漏水について同協会が保証する。金額の上限は設けていないという。給湯器など計10項目の住宅設備機器の不具合についても同じく6カ月間、50万円を上限として東建不販が保証。このほか竣工から10年以内、グループの管理会社・東京建物アメニティサポートの管理物件であることを利用条件としている。インスペクションと保証に掛かる費用は、すべて同社の負担だ。

同サービスのインスペクションは、保証の対象個所以外にも遮音・温熱環境や水質など計41項目について検査する。保証が可能かどうかの見極めだけでなく、買主に安心感を訴求するのが狙いだ。結果は『不具合指摘平面図』や写真を交えてレポートにまとめ、売主と買主双方に渡す。

サービス開始の動機として、流通企画部の南幸治課長代理は、中古市場拡大に向けた機運の高まりと共に「流通時におけるブリリアのシェア拡大」(同)というグループ全体の目的も挙げる。

ただ、これまでインスペクションの結果『不適合』となった物件や、認定した約30件のうち後に不具合が発生したケースが少ないことから、制度を変更したうえでブリリア以外の物件も対象とすることを視野に入れているという。当面は、売主への制度の周知に力を注ぐ方針だ。

11年度は4000件超に 中古住宅瑕疵保険

中古住宅流通活性化に向け、国土交通省は安心して取引ができるための売買瑕疵保険の普及に努めている。20年までに、保険の加入率を取引全体の20%に高めたい意向だ。

保険制度が本格的にスタートした10年度からの申し込みベースでの推移は、10年度が2304件(宅建業者販売タイプ2036件、個人間売買タイプ268件)、11年度が4166件(同2978件、同1188件)となり、12年度は8月末までで943件(同874件、同69件)。補助金事業としてバックアップしたこともあり、着実に実数として上がっている。

特に宅建業者販売タイプの活用事例が多く「保険の重要性」を業者に周知できた意味合いは高い。今後は中古流通の主流である個人間売買においても、積極的に活用を提案していくことが期待される。

また、個人間売買での活用を更に拡大させるには、業者側の工夫した取り組みも必要になる。国交省によると、「瑕疵保険の加入可」の事前審査まで業者が手掛け、買主が保険に加入しやすい環境を提供する事例も見られているという。

税制改正要望でも普及促進策盛り込む

補助金事業によるバックアップは12年度で終了するが、13年度の税制改正要望では、中古住宅取得に係る税制特例の適用要件に、「中古住宅の売買瑕疵保険の加入」を選択肢に加えた。

これまでは、「築年数要件(木造20年、耐火25年)」、もしくは「耐震基準適合の証明」のいずれかを満たすことが必要だったが、更に保険加入を新たな選択肢として用意した。消費者の選択の幅を広げると共に、瑕疵保険の普及も促進するものだ。

また、中古の税制特例を受けるためには、住宅購入時に耐震性が確保されていなければならなかったこれまでの状況を、瑕疵保険の加入を条件に購入後の耐震リフォームでも特例を受けられるようにした。

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