安心住宅みらいえ

中古市場倍増へ 国土交通省プラン案を読む(1) 事前インスペクション型瑕疵保険

2012.03.13 住宅新報 2面

 

普及へ費用負担に課題

国土交通省は3月中に中古リフォーム市場活性化に向けた具体策を明記したトータルプランを策定する。このほど、有識者会議を通じてその案を取りまとめた。盛り込まれた政策は瑕疵(かし)保険など既に確立されたツールの普及や、新たな制度の構築など様々だ。政府が掲げる2020年までの市場規模倍増(20兆円)へ、プラン案に盛り込まれた具体策の現状と今後を探る。

『事前インスペクションタイプの中古住宅瑕疵(かし)保険について、地方公共団体などと連携して消費者への効果的な周知を図る』

事前インスペクションは、通常申し込み後に行う瑕疵保険加入に適合するか否かの検査を保険申し込み前に実施するもの。中古住宅の状況や必要な補修方法などを、販売前に把握することができるという特徴がある。

中古住宅の瑕疵を保証する保険の登場から約2年。事前インスペクションタイプは、同保険の活用事例がなかなか増えない(10年度の申込実績は約2200戸)中、供給する保険法人が進める商品改善の一環だ。現在2法人(日本住宅保証検査機構とハウスジーメン)が対応している。

民間ではこの事前インスペクションタイプの特徴を生かした取り組みが動き始めている。検査事業者の確認サービスと神奈川建築確認検査機関が運営する既存住宅保証センターが行うサービス(中古住宅みらいえ)はその1つ。ハウスジーメンの商品を活用して行っている。

同サービスは、仲介会社と連携して行う。仲介会社に売却依頼があった段階で現場検査を実施。検査に合格したものは、良質住宅としての適合マークを付与する。市場での差別化を図ると共に、5年間、最大1000万円保証する瑕疵保険に加入できる体制を整える。11年末にサービスを本格化。3月7日現在、6社との連携に至るなど注目を集め始めている。

売主にアプローチ

サービスを活用する仲介業者の狙いは何か。売主からの仲介依頼を受けるためのPRツールであると同時に、売主に建物検査の導入を理解してもらう仕組みとして活用しているようだ。

売主は、買主依頼で建物検査を導入すると、「結果が値下げ交渉につながるのでは」などと警戒するケースがある。この点、同サービスの仕組みでは販売前に検査を行う。更に、積極的にサービスを活用している仲介会社は検査、保証費用を仲介手数料の中から負担。これにより、物件に問題が発覚した場合に求められる可能性のある補修費負担のリスクが、無償で除外されるなど、売主にとってのメリットにもつながる。

更なる普及拡大を考えると、この費用負担は特に大きな要素となる。

専任・専属専任媒介の戸建て住宅を対象に、費用負担したうえでサービスを導入している横浜市のリスト。流通事業本部流通営業部の鎌田友和部長は、「検査の導入で、売りやすくなるといった効果が確実とは言い切れない。その中で、売主に初期投資を求めるのは難しい。売主理解を得るうえで費用負担を行うのは大きい」と話す。ただ、仲介会社にとって10万円を超える負担は小さくない。鎌田部長は、「物件の単価がある程度高い横浜、湘南エリアで事業展開しているからこそできる部分でもある」と続ける。

「物件単価が2000万円を下回ると、検査、保証費用のすべてを仲介手数料から負担するのは厳しいようだ」

既存住宅保証センターの鈴木健二営業部長はこう指摘する。実際、同センターには、物件価格が2000万円以下のエリアで事業を行う流通業者から、仲介手数料ですべて賄うのは難しいという相談があり、どういった対応ができるか調整を続けているという。

このため、「同様のモデルを全国に広めるとすれば、行政の補助など何らかの後押しが必要」(リストの鎌田部長)といった声が上がってくる。

トータルプラン案に盛り込まれたように、国交省は安心安全の中古市場に向けて、事前インスペクション型瑕疵保険の普及も1つの要素と見ている。国交省住宅瑕疵担保対策室は、「住宅政策には地域ごとの考えがある。まずは、自治体それぞれの支援策に事前インスペクション型瑕疵保険の活用も検討できるよう、周知していきたい」と話している。

もう一つの課題

瑕疵保険商品の活用には、もう1つ大きな課題が残っている。マンション戸単位への対応だ。現行の瑕疵保険は、マンション戸単位で加入する場合も、共用部分を見るため高額な1棟検査が必要になる。この解消に向けて安価な検査技術の確立などが急がれる一方、既存住宅保証センターなどサービスを提供する側では、導入方法の工夫で対応できないかといった検討が進められている。(葭本 隆太)

「安心住宅みらいえ」は、株式会社既存住宅保証センターが運営しています。

【株式会社安心住宅みらいえ】

所在地 〒252-0318
神奈川県相模原市南区
上鶴間本町4-52-30 岩井ビル3階
TEL 042-767-5442
FAX 042-767-5443
e-mail info@c-miraie.com
 
小田急線「相模大野駅」より徒歩10分
会社概要 取材をご希望の方