安心住宅みらいえ

インスペクションの正体(3) 仲介業と連携で導入も

2012.02.28 住宅新報 1面

 

インスペクションの役割に対する見解が事業者によって異なるのと同様に、その導入方法も様々だ。仲介業者の場合、自社でインスペクションを手掛けるケースがある一方で、専門業者との連携を選択する形もある。

売主のメリットに

横浜・湘南エリアで事業を展開するリストは、その1つだ。登録性能評価機関の確認サービスと神奈川建築確認検査機関が共同運営する既存住宅保証センターと連携。11年10月にインスペクション、瑕疵保証サービスを始めた。専任・専属専任媒介契約で新耐震基準を満たす戸建て住宅が対象。2月23日現在、インスペクションを22件で行った。

「スキームを構築する中で、最大の課題は、売主側の理解を得ることだった」

同社流通事業本部流通営業部の鎌田友和部長はそう話す。売主側は、買主からの依頼でインスペクションを導入すると、「結果が値下げ交渉につながるのでは」などと警戒するケースが少なくない。

リストのサービスでは、売主から依頼があった段階、販売前にインスペクションを実施する。物件状態を把握すると同時に、瑕疵保証に対応できる状況を整える。売主は検査で不具合があった場合、アドバイスを受けて補修対応ができ、売却後の住宅には5年間の瑕疵保証が付く。更にこうした検査、保証費用については、物件を仲介する同社が手数料でまかなう。このスキームは、物件に問題が発覚した場合に求められる可能性のある補修費負担のリスクが、無償で除外されるなど、売主にとってのメリットにもなる。

「売主に売る側のリスクを知ってもらったうえで、インスペクションの導入を理解して頂いている」(鎌田部長)

もちろん、リストにとって約20万円に上る検査・保証費用の負担は小さくない。鎌田部長は、「物件単価がある程度高い横浜・湘南エリアだからできる部分でもある」と話す。

国交省が後押し

中小不動産業者の中には、インスペクション業者をはじめとする他業種との連携を求める向きがある。不動産流通近代化センターが11年8~10月に主に中小業者を対象に行った調査で、今後必要と考える取り組みの中で最も重視しているものを売買仲介業者に聞くと、「他業種や専門家などとの協働」が最多となった。

ただ、いざ実践となると、ハードルが高いのが現実のようだ。東京・足立区の売買仲介業者は、「大手と違い案件自体が少ない。その中でインスペクションの需要は現状で1割未満だ。他業種と仕事上の関係をあらかじめ築くのは難しい」と、地場業者の声を代表する。

こうした状況の中、国土交通省も他業種連携を重要視。インスペクションの普及に向けた方策の1つと位置付ける。12年度に仲介業者とインスペクション業者などとの連携体制を後押しするため、全国8地域程度に協議会を発足する考えだ。3月には「連携体制に向けた下地作り」(国交省不動産業課)として、全国4カ所で不動産流通近代化センター主催(国交省後援)による講習会を開く。

◇ ◇

政府の成長戦略で掲げられている中古市場規模の倍増。その実現に向けた具体的なプランを検討する国交省の有識者会議が2月20日にまとめた案に、インスペクションに関するガイドラインの策定が盛り込まれた。その背景には、普及促進の重要性が認識されていることはもちろんだが、同時に利用方法や機能が様々であるため、どこか混沌としている現状を整理するといった目的もある。

会議事務局の国交省住宅生産課は、「指針自体も1つのラインで示すことができるかどうかわからない。まずは実態把握を進めたい」と話している。(おわり、2面に関連)

(葭本隆太・鹿島香子)

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