インスペクション済み既存住宅 商標は「安心R住宅」 国交省登録団体加盟事業者が提供
住宅新報 2017年3月7日号
国土交通省は既存住宅でインスペクションを行い、構造上に不具合がなく、雨漏りもせず、また新築時情報や過去の維持管理歴など詳細情報を開示しているものを「新しいイメージの既存住宅」として商標を設定することとした。商標は名称として「安心R住宅」が有力となっている。
「新しいイメージの既存住宅」を提供するのは登録団体。同事業に取り組み、適切な会員管理を行う一般社団法人とされた。
2月28日に第3回の「流通促進に寄与する既存住宅の情報提供制度検討会」(座長、深尾精一首都大学名誉教授)が開かれ、検討のとりまとめが行われたもの。
インスペクション実施が要件
「新しいイメージの既存住宅」の要件は、まず不安の払拭。耐震性とインスペクションの実施だ。構造上の不具合と雨漏りがなく、購入予定者の求めに応じて既存住宅売買瑕疵保険に加入できる用意がなされているものとされた。保険の加入は購入予定者の意思による。
「汚い」というイメージの払拭には、団体ごとに基準を定めて適合させる。また外装や内装の主な箇所、あるいは水回りの情報を開示提供する。
「分からない」イメージの払拭のために、広告時に情報の有無を開示し、消費者の求めに応じて情報提供する。「有」「無」「不明」の開示が必要な項目は(1)新築時の情報(適法性、設計図書、認定など)、(2)過去の維持管理に関する情報、(3)保険・保証情報、(4)省エネに関する情報、(5)共同住宅の共用部分の管理に関する情報。
同住宅を提供する事業者団体は事業者の指導監督や購入予定者が相談できる窓口を設置する。また運営状況の報告を定期的に国に対して行う。
国が商標マークを作成
商標としての「安心R住宅」制度については国が定める。Rは「リフォーム」「リノベ」の頭文字を表す。マークも作成し、団体へ配布。団体は事業者に手渡す仕組み。国は団体の登録や登録抹消、指導・勧告の管理を行い、定期的な団体からの報告に基づいて、定期的に要件を見直す。
3月中には制度案を確定し、意見募集を開始する。それに基づいて実施に際しての詳細を決め、夏頃には告示の予定。その後、説明会などを開き、団体登録を始める。